地元に愛される祖師ヶ谷大蔵の古木な店「チャイニーズレストラン欣喜」《前編》
地元に愛される祖師ヶ谷大蔵の古木な店「チャイニーズレストラン欣喜」《前編》
祖師ヶ谷大蔵の古木なお店「チャイニーズレストラン欣喜(きんき)」は、この6月で6周年。ちょっと「通」な場所にあるにも関わらず、ランチはいつでも予約必須! そんな愛されるお店のオーナー、青木さんにお話を伺いました。
目次
ママ友やマダム、ご高齢の夫婦も集う予約必須の中華
ウルトラな街、祖師ヶ谷大蔵。
かつて円谷プロダクションがこの地区にあったことから「ウルトラマン発祥の地」として知られます。
小田急線祖師ヶ谷大蔵駅を出てすぐのウルトラマン像。
東京都世田谷区、小田急線祖師ヶ谷大蔵駅を囲む3商店街が一つになりできた「ウルトラマン商店街」の公式ホームページです。
駅前から伸びた3つの通りからなるのは、その名も「ウルトラマン商店街」。
そんなウルトラマン商店街のひとつ、改札を出て右側の「祖師谷商店街」を歩きます。
ウルトラマン商店街の一つ、祖師谷商店街の入り口。電灯もウルトラなモチーフになっています。
そして、道を一本曲がれば「まるよし横丁」。
まるよし横丁の入口のひとつ。こちらだわから入ってすぐ左手がチャイニーズレストラン欣喜です。
横丁と言うだけあって、確かにちょっと細くて奥まっています。祖師ヶ谷大蔵に昔から住んでいる人でも知らないお店があったりするこの横丁。そう、とっても「通」な場所なんです。
まるよし横丁にお店を構え6年、今回ご紹介するチャイニーズレストラン欣喜(以下:欣喜)はいつも大賑わい。事前の予約は当たりまえ。いつも『本日は予約で満席となっています』というプレートが扉の前に下がっているほど、とにかく大人気のお店です。
元が中華屋だった物件のため、使えるところは活用しながら木を使った上品な外装となっています。
欣喜自慢の中華は、広東と北京、上海の中華をベースにしながら、食材を活かすのが一番の特徴。お酒の好きなおじさまたちはもちろん、ランチの時間帯にはママ友のみなさんや、2階の個室を貸し切ってのマダム会らしきご様子も。そして夜には、6周年記念のディナーコースを楽しむ40代〜60代のご夫婦が目立ちます。
このお店の評判を耳にした様々な人が集まるため、呑んべえが多いまるよし横丁では普段見かけないような客層が面白いところ。
マンガリッツァ豚のバラ肉 雲白肉。
ハンガリーの食べられる国宝です。脂身が多いですが油がさっぱりとしていて甘みがあり、中華ダレとマッチします。
ちなみにこの日、私は母とランチをしていたのですが、母の口からふとした疑問が。
「そういえばこのお店、中華料理屋さんっぽくないわね」
店内の壁に飾られた写真ははオーナー青木さんのご友人の写真家・関誉詩晴さんの作品。季節に合わせて写真も取り替えられるギャラリー的な一面もあります。
古木をたくさん使った居心地のいい店。でも、みんながイメージする中華屋さんの雰囲気とは少し違う? そんな内装にはオーナー・青木さんの想いが込められていました。
「根本的に、木が好きなんです」
「今回のように木や古木をたくさん使ったお店にしたのは、単純に木が好きなんです。
僕の親父が大工だから、木には慣れ親しんでいました。」と青木さん。
お話を聞いていくうちに、「木が好きだから」以外にも「古木な店」にした理由が分かってきました。
古木の柱。ほぞや古木独特の雰囲気を醸し出します。
「小さな頃から、地元の北京飯店の暖簾分けの中華屋さんが好きでした。中学生になったらお店でバイトして、その後、中華街やホテルの厨房で働いて、そうして今があるんです。でも、中華の店の『根本的な概念』は好きになれなくて(笑)。だから中華のイメージを一新したくて、そのためのツールが“古木”の店ということなんです。」
欣喜のメインターゲットは50〜60代。その年代の期待に応えるには、まず油に気をつかうこと。そして、胃に溜まるようなこってりとした料理ではないこと。味が濃い典型的な中華ではなく、食材を活かすことを第一にした料理を出したい。自分の持つ店には、油っぽくて味が濃いような中華料理のイメージは欲しくない。そうした中華への先入観を払拭するため、店内には古木が必要だと感じたのだそうです。
常連さんが次々とご来店。
全席テーブル席であることから、夜はご夫婦で来店されるお客様も多数です。
「余談ですが、古木は古民家にあったものだから、当然、元の家主やその家族など、“人”とともにあったわけですよね。年月だけでなく、想いもそこに残っているものだと思うんです」
「小さい頃からお世話になっていた住職さんのようなおばあちゃん先生がいて、その方に1本ずつ清めてもらいました。お店には十何本も古木を入れたので、『雰囲気はいいけれど、こんなにたくさん大変よ』と先生に言われながらも、時間をかけて最初に清めてもらったんですよ」
地鎮祭を始めとして、最近では省かれることが多くなってしまった、施工にまつわる日本の「ならわし」。それぞれ一本ずつが想いの籠った古木。その扱い方も改めて考えさせられます。
1階の客席。入り口を入ってすぐの個室は古木の柱と格子戸の抜け感で、中にいてもあまり閉塞感を感じません。
チャイニーズレストラン欣喜さんの情報はこちらになります。
最寄り駅: 小田急線祖師ヶ谷大蔵駅から徒歩2分
TEL: 03-6411-3458
住所: 東京都世田谷区祖師谷1-8-17
営業時間: – ランチタイム –
水曜日〜土曜日 11:00〜14:00(L.O 13:30)
火曜日と日曜日はお休みしております。
– ディナータイム –
火曜日~日曜日 17:00~22:00(L.O 21:30)
都合により終了時間が早まることが御座いますので、ご了承下さいませ。
定休日: 月曜日
WEB:http://kinki-aoki.com/shop/
後編では、人気店になるまでの道のりや青木さんの現在の取り組みをご紹介。
更新をお楽しみに!