小林賢太の古木の本を出したい 第五回「変わるもの、変わらぬもの」
小林賢太の古木の本を出したい 第5回「変わるもの、変わらぬもの」
この連載は古木な会社で働く小林が、古木の気持ち、を求めてつらつらと考えを記します。思いつきで記していきますのでどんな内容を書くのかは書き始めるまでわかりません。最終的には古木の本を出せたらいいなー、なんて考えています。そんな5回目の連載は「変わるもの、変わらぬもの」です。
人は生きていく上で成長という階段を登り続ける。
良い階段、悪い階段。
良い階段を登り続けた先には何にも動じない強い気持ちを手にいれる。
階段を登る過程で周りの状況は日々変わる。
時には賞賛され、時には非難され、
時には喜び、時には落ち込み。
状況が変われば人の気持ちは揺れ動き、
それによって良い階段から足を踏み外す事もある。
古木は100年にも渡り家を支えて来た。
地震や積雪、台風などの自然災害に耐え、
屋根荷重、建物自体の荷重に耐え続け、
年齢による衰えにも耐え続けて来た。
過去には当たり前であった形状は、
現代では特異な形状とされ、魅力的と賞される。
過去が時代を経て現代に価値を発揮する。
その逆に過去の当たり前は現代では廃れる事もある。
その殆どが技術であり、機械である。
刹那的な価値。場当たり的な価値。
残るのは本質的な価値である。
遠く昔から人々の生活を支えて来た木。
当たり前のように使われて来た木は、
現代では形を変え素晴らしい価値のある古木となる。
古木も昔は木と呼ばれ、当たり前のように手斧で削られ形を整え、
家を支えるための当たり前の材料として使われて来た。
100年の月日が経つ。
木の形は変わらない。
けど、その木は古木となる。
もし古木に気持ちがあったなら、人と同じだろう。
人の人生が気持ちによって左右されるなら、古木の人生も同じだろう。
生き続けたい。人々の生活を見続けたい、支え続けたい。
古木はそんな気持ちを強く持ち続けたから、自然災害や自重に耐える事ができた。
そして、最後も諦めずにまだまだ人々の生活を支えたいと思った。
人々の生活を支え、守ることが自分たちの使命だと考え、
最後にもう一度輝ける奇跡を信じ続けた。
だから、最後に輝く場所を与えてあげたいと思う僕たちに奇跡的に拾われた。
人は成長という階段を登り続ける。古木も同じ。
周りの状況に耐え続ける事で木から古木となる。
良い階段を登り続けた古木は捨てられる寸前で助けられ最後の輝きを放つ。
その最後の輝きを僕たちはもっともっと大きな物にしなければならない。
使命。本質的な価値を継承し発展させ世に残す。
彼らの価値は本質的である。