今日の古木#10「数寄屋造りの磨き丸太〜その1〜」
今日の古木#10「数寄屋造りの磨き丸太〜その1〜」
山翠舎大町倉庫にあるたくさんの古木たち。そんな中から、また新たな住居や店舗などに活躍の場に移そうと今か今かと待ちわびている古木たちを『今日の古木』と題し、1本ずつ紹介していきます。第10回は今までの古木とは一味違う、綺麗に磨かれた丸太について、そこからわかる当時の家の造りとは?
目次
みなさん、こんにちは、こんばんは!
お待たせいたしました、今日の古木。
一体、今日は何を紹介してくれるんですかね〜
というわけで今回は、古木の中でも比較的新しい? 綺麗に磨かれた丸太を紹介していきます!
綺麗に磨かれた丸太の正体とは?
いつもの古木と違って、まっすぐで綺麗ですね。笑
サイズは太さ180Φ、長さ5500ほどあります。
樹種はと言いますと、、、
これは日本の多くの方が花粉でおなじみ「杉」です。
大丈夫ですか?
写真を見てるだけで鼻がムズムズ、、、
なんてことないですか?笑
ちなみにこの杉の丸太がどこの場所に使われていたのかは、ここを見れば分かります。
等間隔で同じような丸い溝が彫ってありますね。
この溝には垂木が収まってきます。
たるき
【垂木・棰】
屋根板を支えるため、棟から軒に渡した木。
この画像でイメージはつかめますでしょうか?
つまり、この丸太は軒先きの桁、「軒桁」であるということが分かります!
丸!丸!丸!丸太ばっかり!?
先ほどの写真を見ていただいてわかる通り、
軒桁は丸太。
それに乗っかってくる垂木も、彫り込みの形からして、丸太。
そして、さらに見ていただきたいのがこちら!
丸太に丸太の跡がくっきり!!
こっちにも!!
この軒桁に水平方向90°に交わる部材(ちなみに梁)も丸太であったことが見えてきます!
杉丸太は数寄屋造りの特徴
見出しにもある通り、杉の丸太が多く使用されるのは「数寄屋造り」の特徴です。
数寄屋造り(すきやづくり)とは、日本の建築様式の一つである。数寄屋(茶室)風を取り入れた住宅の様式とされる。
語源の「数寄」(数奇)とは和歌や茶の湯、生け花など風流を好むことであり(数寄者参照)、「数寄屋」は「好みに任せて作った家」といった意味で茶室を意味する。
出典: http://www.kikuchi-kensetsu.co.jp
また、数寄屋の「すき」という言葉は、「好き」の当て字として広まったものであり、
その意味は何かに執心すること、あるいは偏好することを表します。
そうしたことから、型にとらわれず自らの趣向に合わせて自由につくり上げた建築のことを数寄屋といったりもします。
〜その2〜に続く。。。