今日の古木 #16「THE・日本建築 床の間に隠された秘密」
目次
こんにちは。こんばんは。
今日の古木です。
今回は少しだけ番外編。
いつもは「古木」という1本の木でしたが、今回は「古木板」と称し
1枚の「床板」をピックアップ!
そこから派生する「床の間」のちょっとしたお話まで、
少しばかりお付き合いを!笑
(「床の間」関連の記事2連続ですね。。。←正直ネタが追いつかないんです、、許してください。笑)
今日の古木板情報
寸法:24×575×1780
材はと言いますと、、、
第16回にもなってくると、樹種のレパートリーもだんだんなくなってきてます。笑
そうです。すでに過去の記事で何度か出てきています。
みなさんもそろそろ、木目を見ただけである程度は見分けがつくようになっているのではないでしょうか?笑
そこでヒント①
まるで地図の等高線やないかいっ!とツッコミたくなる木目の綺麗さ。
イメージ:地図の等高線
続けてヒント②
まるで天気図の等圧線やないかいっ!とツッコミたくなる木目のくっきりさ。
イメージ:天気図の等圧線←これは若干違うな。
そうです、答えはズバリ「ケヤキ」です。
特徴などは、以前のケヤキの記事を見ていただければわかるので、下のボタンをクリック!
そんなこと言われなくてもわかってる。いいから先進まんかいっ!という方は、お先へお進みください。笑
床の間とは?
今回のケヤキの古木板。
古民家のどこに使われていたかというと、前回の記事でも少し触れましたが、
床の間の床、「床板(とこいた)」にあたる材です。
この部分です。
床の間、床の間と言っていますが、正しくは「床(とこ)」で「床の間」は俗称とされています。
床とは座する場所、寝る場所という意味があり、奈良時代には身分の高い貴族が座る場所を一段高くしていたことが始まりと言われています。
また、「とこしえ(永久)」という意味もあり、その家の繁栄を象徴するものでもあり、和室の1番良い場所に位置しています。
安土桃山時代に書院造りの住宅様式に床の間が取り入れられ、武家の間で広まっていくうちに、床の間はだんだんと豪華になり、その家の力を示す役割を担うようになりました。
武家の床の間。
そもそも床の間が何のためにあるのかというと、日本の「おもてなし」の心が関係してきます。
床の間がお客様をもてなす最上の部屋であり、床を背にするのはもっとも身分が高い人ということで、床の間が上座となります。
江戸〜明治時代には、領主や代官など、自分よりも身分の高いお客様を迎えるために、庶民の家にも床の間が作られるのが一般的となっていきました。
現代の床の間。
時の流れと共にその目的が変わっていき、掛け軸や生花、美術品などを飾る場所となり、近年では、掛け軸をかける習慣が衰え、和室はあっても、床の間そのものが省略されることが多くなりました。
旅先の和室のある旅館などでは、まだ見かけられるのことの方が多いのではないでしょうか?!
床の間の禁忌。タブー
和室に代表される日本建築にはたくさんの禁忌(タブー)があります。
ご存知でしょうか?
例えば柱などは、本来、木が自然の中で育っていた方向に使わなければならないとか。
自然に木が生えている時とは上下逆の方向に、柱を建てて(逆柱)家を造ると
その家は「夜になると家鳴(やなり)」がするとともに
火災や災いなど不吉なことが起こるという言い伝えがあります。
このように。
信じるか信じないかはあなた次第、、、なのですが。笑
そこで、そんな中でも床の間に関する有名な禁忌(タブー)を紹介します。
「床さし(トコサシ)」
漢字では「床差し」「床刺し」「床挿し」などとも記載されます。
主に和室の天井が「竿縁天井」の際に、竿縁が床の間と直角に取り付けられた天井を「床差し天井」と言い、古来から”不吉”として施工を避けられてきました。
出典: http://www.well-reform.com
和室の天井の板が落下しない様に支えるための部材を「竿縁(さおぶち)」
と言うのですが、その竿縁が床の間と並行になるように天井板の貼る方向を決めます。
逆に、この竿縁が和室で最も上位(上座)とされる床の間に、突き刺す方向で設置された天井を「床差し(刺し)」と呼んで忌み嫌っていたそうです。
これは床の間の畳にも同じようなことが言われ、床の間と接する畳が互いが直角に交わらないようにされてきました。
出典: http://www.well-reform.com
日本建築は奥が深い
冒頭にあった古木板、ケヤキの床板から床の間までだいぶ話はそれましたが、
今回この記事を書いていく中で、改めて日本の古民家、和室といった日本建築の奥深さをを実感しました。
まだまだ掘り下げて行きたい内容もたくさんありますので、今日のところはこの辺で!(ネタ温存)
また次回をお楽しみに!!!