明治神宮を楽しむ 第3回『明治神宮御苑は神秘の森だった』

明治神宮を楽しむ 第3回『明治神宮御苑は神秘の森だった』

明治神宮には御苑があります。苑内にある清正井はパワースポットとして有名ですが、四季折々の花や紅葉などが楽しめる、江戸時代から続く8万3千㎡もある庭園です。正直、僕は庭園好きでも花を見て感傷に浸る性格でもなく、庭園に500円払って行くことに躊躇していましたが、行ってみたらお金を払う価値ありだと思いました。


第2回目はこちら

明治神宮御苑

御苑と聞くと、あのお金持ちの庭園ねー、くらいにしか思わず、そんな庭を見ても、すごいねーとはいうものの、完全に合わせてるだけで本当はどうでも良い僕は、明治神宮に御苑があるのを知りながら、つい先日まで行こうともしていませんでした。

8万3千㎡と言われても正直ピンときませんが、ある値を超えた大きさを表す場合、東京ドーム何個分っていう単位にした方が分かりやすいですよね。

僕なんか庶民だと、この大きさを私有していていた、と言われると、どうやって維持してたんだろう? とか固定資産税ってどうなってるんだろう? とか、どうでも良い事を考えてしまいます。

けど、ここね、なんというか凄くオススメ。
なんと言うか、、、、とにかく凄かった。
この凄さをうまく説明できそうにもないけどいざ、御苑内に。

入り口はアマゾンの森

御苑の中に入る時にはこの建物で御苑維持協力金を払います。
写真を撮ろうとしたら、建物は良いけど係員の人達は撮らないでと言われるので注意しましょう。
係員の人達を撮ってはダメなら撮影できなくね、、なんて思いながら、小心者の僕は、あとでフォトショップで消しますから近くから撮らせて下さい、なんて言えず遠目から撮影してしまいます。

そしていざ御苑内に。一歩入り、少し進むと、、、そこはアマゾンの森。
入り口から僕の御苑イメージを裏切ってくれます。


小川があったり、

茅葺の東屋があったり、

苔で覆われた木があったり、

この森を進んで行くと、物凄い勢いで御苑のイメージを更新させられます。
御苑ってただの庭園では無いんだ。。
この密林感というかアマゾン感は湿度が関係しているのでしょう。
とにかく、日本にいながらのこの感覚は期待を良い意味で裏切ってくれます。

この先が楽しみ。

正統派、和の池『睡蓮の池』

さらに進んで行くと、森の間から池が見えてきます。

今までアマゾンの森の中を通って来たと思ったら現れたのは和風の池。

真逆。

もの凄い角度で予想を裏切られるこの感じが心地よいです。
でも、何故かしっくり来る。
御苑というと、変にデコラティブな洋風の庭か和風の庭かがセオリーでしょう。
でも、ここには明治神宮の森が周りを囲います。

明治神宮の森からアマゾン感溢れる入り口の森を通り越し、
やっと和の庭園に。御苑というと、こういったのを当たり前のように想像していたけど、
ちょっと違和感が。そう、周りが森なんです。

明治神宮を入ってからここに来るまでの道中で自分の感覚を植え替えられ、
和風の庭なのに周りを森で囲まれるこの庭に何故か納得してします。
明治神宮の森は絶対に無くせない。でも、和の池も欲しい。
そんな中で考え出された、既存の感覚を少しだけ操作する計画のような気がしてしまいます。

池には睡蓮が咲いています。
睡蓮は6月〜9月が見どころのようです。
確か、睡蓮の特別期間みたいのもあったような記憶が。

この睡蓮、噂によると一株だけ違う色の花が咲くとのこと。
この違う色の花、もしかしたら例の彼が密かに持ってきたのではないかと妄想します。

その池から見返すと、小高い丘の上に隔雲亭という明治時代の皇后様の為に建てられた家が。

良いっすね、こんなところに家があって、素晴らしい森があり、池がある。
憧れです!! と無邪気に言ってみたいところだけど、
こんな場所に住んでる姿が想像できない自分がいます。

この庭が日常なら、他の庭には感動が生まれないですね。
それ位にこの御苑は素晴らしいです。

ここは東南アジア?『菖蒲田』

そこから進むとまた池が見えてきました。
さっきよりも淀んだ池。
何やら懐かしい感覚を呼び起こしてくれます。

過去にこの感覚を味わったような。。

菖蒲田と呼ばれる場所です。

菖蒲の一株一株にそれぞれ名前があります。誰が考えたんだろ?

名前:古株の色

名前:深窓佳人

名前:江戸自慢

本当に誰が考えたんだろう。生育している菖蒲は何株あるかわからないけど、
全てに名前があるんですよね。。

そして、また見えてきました、茅葺の東屋。
いい感じ。

何やら作業をしてる方がいます。
たまたまですけど、この作業員の方達が僕の記憶を蘇らせてくれました。

この風景、あれです、東南アジア。
僕はバリに行ったことがありますが、
バリの田舎の方の風景にそっくり。

睡蓮の池もそうですけど、池が多くて森が多くて、
湿度が高く、そして所々で東南アジアの要素と和の要素が混ざり合う。
そんな要素が神秘の森を作り出しています。

明治神宮の森がいつのまにか東南アジアに変わってしまっています。
御苑に入った時には思いもつかない展開。
アマゾンを抜け、和の庭を抜け、この風景。
全て明治神宮の森を軸に展開されるこの景色の変化に、
特に御苑などに興味のなかった僕に、
来てよかった〜感を植え付けてくれます。

この御苑、とても良い。

なぜ明治神宮という、近代国家幕開けを象徴するような神社に、
こんな神秘の森があるかわかりません。
おそらく、この庭も天才な彼が計画したのでしょう。
この庭を考えられる人なんてそんなにいないと思います。

明治神宮の森は絶対に無くせない。けどそこに庭園が欲しい。
森に囲まれた庭園。

そんな中で作られた、アマゾンからの和の庭を経ての東南アジア。
この一連の物語が全て明治神宮の森を軸に展開され、
最後には明治神宮の森がいつも間にか異国の森となる。
そんな構想の中で、僕はこの御苑があることに感謝してしまいます。

東京でこんな体験ができるなんてなかなかない。
というか、おそらく作られた庭でしかこの体験はできず、
作られた庭ではこの体験はなかなかできず、
その微妙な感覚がこの御苑の唯一無二の特殊性を作り出しているのだと思います。

いやー良かった。
明治神宮のメインコンテンツではないけど、
その横でこんな良い体験をできるとは思わなかったです。
感謝!!

この記事のライター

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