そうだ。NIPPONIAに泊まりに行こう! vol.1「篠山城下町 散策ガイド」

そうだ。NIPPONIAに泊まりに行こう! vol.1「篠山城下町 散策ガイド」

 今回は兵庫県篠山市にある篠山城下町ホテルNIPPONIAを訪れました。古民家を改装した宿泊施設は、城下町全体を一つのホテルと見立てたもの。まるで江戸時代にタイムスリップしてしまったかのような町では、多くの方との心温まる出会いがありました。


今回の目的

 朝6時台の新幹線で2時間30分、新大阪に到着しました。東京は今日から梅雨らしく雨模様。打って変わって関西はいいお天気です。
 今回宿泊するのは「篠山城下町ホテル NIPPONIA」。兵庫県篠山市は新大阪から車で1時間30分の場所にあります。このホテル、歴史ある城下町全体をホテルにしてしまったというからすごい。町に5箇所点在する古民家をそれぞれ宿泊棟としそれを一つのホテルとしているんです。

 今回こちらの宿泊施設は、先日千葉銀行主催の「古民家を活用した観光まちづくりシンポジウム in 大多喜町」で古民家再生と地域活性化の成功事例として挙げられていた施設。ぜひ行ってみたいと思い企画しました。
 街全体が一つのホテルって、一体どういうことなんだろうとワクワクした気持ちで向かいました。


町を散策する前に、腹ごしらえを。 〜山里料理 まえ川〜

 篠山市についたのは、ちょうどお昼時間。ホテルの受付を済ませ、チェックインまでの間、篠山城下町を散策することに。でも、その前にお目当てのお店でお昼をいただきました。

 こちら、本日私が宿泊する予定のNIPPONIA SAWASIRO棟にお店を構える「山里料理 まえ川」。

 
 お店は古民家を改装した、趣のあるお店です。通りから入った入口側に店舗があり、お店を通り抜けた奥が宿泊施設となっています。

 お祖父ちゃんが作った野菜とお祖母ちゃんの作ったお料理に憧れ、いつか地元のものを使った料理店を開きたいと思い、京都大阪で修行を積み、ようやくこの地で念願のお店をオープンさせたとのこと。


 先付けに続き出てきたのは、地のものを活かしたこの御膳!
 沢山の種類のものを少しづつ、どれも優しいお味です。ご飯とお味噌汁、水菓子がついて、お腹も気持ちもいっぱいになりました。

 お食事の後、ご主人と奥様にお話を伺うことができました。

 こちら、ご主人の地元である篠山市に、古民家でお店を開業したいと物件を探していたところ、ご縁でこのNIPPONIAの店舗をご紹介頂いたとのこと。店舗はホテルの軒先にあることから、営業自体は11時から2時までとお昼時間に限られますが、まずはこの地で仕事ができるのか、事業がうまくいくのかチャレンジしてみようという気持ちで始めたそうです。

 今では、地元の方にも多く来ていただき、自然と地元の方との交流が持てるようになったとか。年配の方も多く、若いご夫婦であるご主人夫婦は、とても良くしていただいているそうです。
 地元で、お店を出すなら絶対古民家でやりたいという願いを叶え、野菜はもちろん、醤油なども地元のものを使う。地元が大好きで、多くの方に篠山の良さを知ってほしいという思いがあふれるお料理でした。

 厨房機器などは既に入っていたことから、初期投資はリーズナブルにスタートすることができたお店ですが、テナント期限もあるんだとか。沢山の方に、この篠山の地で事業を始めてほしい、そのチャレンジを応援したいというNIPPONIAの思いの現れなんだと思います。

 お味も見た目にも文句なしのお料理。たとえ場所を変えても、この街で美味しい山里料理を食べられることは間違い無しです。

住所 兵庫県篠山市西町1番地 NIPPONIA SAWASIERO棟
電話番号 050−5240−3725
開店時間 10:00~14:00
定休日  火曜日

城下町を散策

 昼食後は城下町を散策しました。散策にはNIPPONIAから頂いた手作りのチラシを片手に。観光施設に無料で入館できる共通券も頂きました。さ、さっそくブラブラしましょう!



 こちらは商店街。とてもレトロな古民家が続いています。店舗は飲食店、お土産物屋、生活雑貨のお店など、一歩お店の中に入ると時代をタイムスリップしてしまうかのようなお店が沢山ありました。


 足を止めずにはいられないお店を発見。中には駄菓子や懐かしいおもちゃが所狭しと置かれています。一瞬で子供の頃に戻ったかのような、なつかし屋の名前のごとく懐かしい気持ちになります。

住所 兵庫県篠山市二階町15
電話番号 079-552-3652
開店時間 8:30~17:00
定休日  水曜日


 なかには、空き家になってしまっている古民家も。昔はたくさんの人達で賑わっていただろう面影を残す古民家です。


 こちらは「ほろ酔い城下蔵 鳳鳴」。創業寛政九年(1797年)なんと江戸期創業の酒造のたたずまいと、歴史を感じさせる酒造り現場や道具を見ることができます。見学コースがあり、嬉しいことに試飲もさせていただくことができるため、観光客でとても賑わっていました。

住所 兵庫県篠山市呉服町46
電話番号 079−552−6338
開店時間 9:30~17:00
定休日  火曜日
入館料  無料


 町のシンボル篠山城から見る、城下町の景色です。篠山城は昭和19年に火災により消失した後、地元の多くの人々の長年の願いにより、平成12年に復元再建されました。

散策の休憩場所 〜岩茶房 丹波 ことり〜

 町をぐるっとひと回り、そろそろ休憩しましょう。いいところに古民家を改装したお茶をいただけるお店が。こちら、「岩茶房 丹波 ことり」本格的な中国茶をいただけるお店です。
 お店は古民家を一棟まるごと改装したもの。お庭も丁寧に手入れされています。


 店内は板張りの二間続き。長野県松本で作られたという木の家具がさらに居心地のいい空間を演出しています。


 頂いたのは、丹波豆を使った寒天。丹波豆はツヤツヤながらとてもふっくら仕上がっていて美味しかったです。丹波篠山に来たら、丹波豆はいただくなくちゃね。

 こちらでも、ありがたいことに店主のお話を伺うことができました。

 こちらのお店はもと商店街で営業されていたそうですが、一度お店を閉め東京で修行されたのち、7年前に場所をこちらの古民家に移転し営業を再開されたんだとか。40年間空き家の何も手入れがされていない古民家を、古民家再生プロジェクトのNPOが目を留め、基礎などを修復し入居者を募集しているところ幸運にも出会えた物件だったようです。

 ここを取り壊して整理したいという家主の意向をストップいただき、家主に迷惑をかけないように使用するというのがルール。相互の信頼関係のもと貸し出して頂いているとのことでした。

 この物件に出会えたのは、本当にご縁があったからと感謝の気持ちを何度も伺うことができました。東京で修行されていた3年間の間に、篠山では町を活性化させようという動きが大きく変わっていたという店主。その波に上手に乗り、当初は床もなく土間のままのがれきのような空間、庭も森のように生い茂っていた場所を、いまではとても手入れの行き届いた、素晴らしい居心地のよい古民家に再生しています。沢山の方とのご縁で今があるという事を、強く感じるお話でした。

住所 兵庫県篠山市西新町18
電話番号 079-556-5630
開店時間 11:00~18:00
定休日  水曜日・木曜日


 さ、日も傾いて来たところで、本日のお宿NIPPONIAに到着。待ちに待ったチェックインです。
今回の旅のメインNIPPONIAについてはvol.2へ続きます。

そうだ。NIPPONIAに泊まりに行こう! vol.2「とけこむように泊まる」

http://koboku.org/articles/37

 今回は兵庫県篠山市にある篠山城下町ホテルNIPPONIAを訪れました。古民家を改装した宿泊施設は、城下町全体に点在する5棟で一つのホテル。「400年の歴史に、とけこむように泊まる」新しいライフスタイルの宿泊体験でした。

この記事のライター

関連する投稿


「築150年の土蔵を手放す」古民家解体の裏にある、持ち主海川さんの想い。

「築150年の土蔵を手放す」古民家解体の裏にある、持ち主海川さんの想い。

長野県大町市平の国道148線沿いに建つ、海川盛利さん所有の築150年という大きな土蔵。今回、JR信濃木崎駅に向かう歩道拡幅工事のために解体せざるを得ない状況になりました。この海川家に代々受け継がれてきた土蔵に使われていた古木を、山翠舎で買取させて頂くことになりました。そのままの状態で取り出すのは難しいと思われた長さ8mにも及ぶ巨大な棟木も、切ることなく運び出すことに成功。今、大町の倉庫で次なるステージの出番を静かに待っています。(取材・文:横澤冨美子)


【後編】日本建築の原点は「古木」。その魅力と効果的な使い方を考える -家具デザイナー・小田原さんに聞く

【後編】日本建築の原点は「古木」。その魅力と効果的な使い方を考える -家具デザイナー・小田原さんに聞く

家具デザイナーである小田原 健さんが、長野県大町市にある山翠舎の古木倉庫を訪れた。そんな小田原さんに古木や建築、家具製作の未来についてお話を伺う対談の第二弾(後編)。


【前編】日本建築の原点は「古民家」や「古木」にあり。 家具デザイナー・小田原さんに聞く(第二弾)

【前編】日本建築の原点は「古民家」や「古木」にあり。 家具デザイナー・小田原さんに聞く(第二弾)

前回、3回にわたってお届けした家具デザイナー小田原 健さんのお話(「古木を見て、素材の持つ魅力と職人の大切さを再認識」-木と職人を愛する家具デザイナー・小田原健さんに聞く-)。 今回は、山翠舎東京支社に場を移し、日本建築の原点などについて、小田原さんにお話を伺いました。インタビュアーは山翠舎代表の山上浩明。小田原さんの木を思う心がギュッと詰まったお話になっています。まずは前編をどうぞ。


「古木でつくる新しい経済」山翠舎 山上浩明さんに聞く その3

「古木でつくる新しい経済」山翠舎 山上浩明さんに聞く その3

古木をフックに利益をつくり、人の繋がりをつくり、経済圏を生み、一つの世界観、価値観を投げかける。そんな新しい挑戦をつづける山上さんのインタビュー。最終回となる第3回は、古材ではなく「古木」と定義した理由とその戦略、そのビジョンなどのお話です。


「古木でつくる新しい経済」山翠舎 山上浩明さんに聞く その2

「古木でつくる新しい経済」山翠舎 山上浩明さんに聞く その2

古木をフックに利益をつくり、人の繋がりをつくり、さらには経済圏を生み、一つの世界観、価値観を投げかける。そんな新しい挑戦をつづける山上さんのインタビュー。第2回は、この挑戦を実現に向けていくための実際的な方法やビジョン、そして動機などのお話です。


最新の投稿


「築150年の土蔵を手放す」古民家解体の裏にある、持ち主海川さんの想い。

「築150年の土蔵を手放す」古民家解体の裏にある、持ち主海川さんの想い。

長野県大町市平の国道148線沿いに建つ、海川盛利さん所有の築150年という大きな土蔵。今回、JR信濃木崎駅に向かう歩道拡幅工事のために解体せざるを得ない状況になりました。この海川家に代々受け継がれてきた土蔵に使われていた古木を、山翠舎で買取させて頂くことになりました。そのままの状態で取り出すのは難しいと思われた長さ8mにも及ぶ巨大な棟木も、切ることなく運び出すことに成功。今、大町の倉庫で次なるステージの出番を静かに待っています。(取材・文:横澤冨美子)


「森林認証制度」のこれまでと今 -後編- 【FSC®ジャパン事務局長・前澤英士さんに聞く】

「森林認証制度」のこれまでと今 -後編- 【FSC®ジャパン事務局長・前澤英士さんに聞く】

企業のグローバル化が進むなか、人権やコンプライアンスの遵守、環境問題への配慮などを含めた社会貢献活動(CSR)が注目されています。とくに、環境問題への取り組みでは「FSC森林認証」を受けた材料やプロジェクトを企業が積極的に採用する動きが世界的に広がっています。この「森林認証制度」を日本国内で推進しているのがFSCジャパン。どんな活動を展開し、どのような将来展望を描いているのか、FSCジャパン事務局長の前澤英士さんにうかがいました。その後編です。


「森林認証制度」のこれまでと今 -前編- 【FSC®ジャパン事務局長・前澤英士さんに聞く】

「森林認証制度」のこれまでと今 -前編- 【FSC®ジャパン事務局長・前澤英士さんに聞く】

企業のグローバル化が進むなか、人権やコンプライアンスの遵守、環境問題への配慮などを含めた社会貢献活動(CSR)が注目されています。とくに、環境問題への取り組みでは「FSC森林認証」を受けた材料やプロジェクトを企業が積極的に採用する動きが世界的に広がっています。この「森林認証制度」を日本国内で推進しているのがFSCジャパン。どんな活動を展開し、どのような将来展望を描いているのか、FSCジャパン事務局長の前澤英士さんにうかがいました。まずは、前編です。


新時代の図書館を模索した「信州・学び創造ラボ」後編 【県立長野図書館長・平賀研也氏に聞く】

新時代の図書館を模索した「信州・学び創造ラボ」後編 【県立長野図書館長・平賀研也氏に聞く】

2019年4月、令和の時代を前に県立長野図書館内にオープンした「信州・学び創造ラボ」。県立長野図書館は、もともと長野市長門町にあったが、同市若里公園内の現在の場所に1979年に開館しました。今回の大規模リノベーションが行われたのは閲覧室や会議室のあった3階フロア。情報の多様化が進展する中で、人々が知見を得る拠点として、どういった図書館の形が望ましいのか、議論を重ねながら理想を追い求めたといいます。設計を担当した長野市の「宮本忠長建築設計事務所」の設計士と、図書館館長の平賀研也さんに話を伺いました。


新時代の図書館を模索した「信州・学び創造ラボ」前編  【宮本忠長建築設計事務所3人の設計士に聞く】

新時代の図書館を模索した「信州・学び創造ラボ」前編 【宮本忠長建築設計事務所3人の設計士に聞く】

2019年4月、令和の時代を前に県立長野図書館内にオープンした「信州・学び創造ラボ」。県立長野図書館は、もともと長野市長門町にあったが、同市若里公園内の現在の場所に1979年に開館しました。今回の大規模リノベーションが行われたのは閲覧室や会議室のあった3階フロア。情報の多様化が進展する中で、人々が知見を得る拠点として、どういった図書館の形が望ましいのか、議論を重ねながら理想を追い求めたといいます。設計を担当した長野市の「宮本忠長建築設計事務所」の設計士と、図書館館長の平賀研也さんに話を伺いました。


Ranking


>>総合人気ランキング