巨樹ツアー 第7回「笠森観音の子授け楠、安心安全ホーリーパワー」

巨樹ツアー 第7回「笠森観音の子授け楠、安心安全ホーリーパワー」

樹齢不明。いつから傾いたのか、なぜ傾いたのか、何年その状態で生きてるのか、まったくわからない。今にも倒れそうなこの一風変わった巨樹に、人は子授け祈願をこめて次々と突入していく。名刹笠森寺参道にあるワンダースポットに行ってきました。


ここは狂人のユートピアか…?


千葉県の長南町というところに笠森観音という寺があります。
江戸時代の浮世絵が残っているのですが、

もう笑うしかないです。
狂人が建てたとしか思えない。

今日はその笠森観音に行ってきました。
なぜかというと、、、
寺ばかりでなく、そこに生えている巨樹までもが狂気を感じさせるからです。

駐車場に車を停めた僕を、さっそくこの案内看板が出迎えてくれます。

赤と青と黄の鳥が飛んでます。
これはどう見てもユートピアの青写真ですね。

(しかも左上に「ユートピア笠森」と書かれた施設がある)

ここが入り口。

ちょっといい感じの参道をぐいぐい上がっていくと、

すぐに現れます。

とんでもないですね。

根元が半分、大地に支えられてないです。

この角度は尋常じゃないですね。

スケール感はこんな感じ。
幹はそれほど太くはないですが、根本はなかなかの存在感です。

写真のおじいさん、おばあさんは哲人のごとく素通りしていましたが、、、

たいていの人は立ち止まって見ていきます。

逆サイドから見ると、

「崖崩れ注意」の看板が立ってました。

妙にざわざわさせられます。

子授け祈願ラッシュ


そんな倒壊寸前とも思える危なそうな巨樹ですが、立ち入り規制もなく、あろうことか人が登れるように梯子がついてます。

6年ほど前、タレントの梨花さんが子授け祈願でこの穴をくぐったとブログで書いたそうです。そして懐妊されたそうです。

それで、どうなったか?
想像がつきますよね。

とんでもないことになりました。

関東一円から子授け祈願の夫婦が訪れるようになり、根元が半分土に支えられてないこの巨樹にがんがん足を乗せ、幹の真ん中にあいた穴を潜っていくようになったのです。

これ、ニューギニア人が見たら震え上がりますよ。

(※ 森に住むニューギニア人たちは、セキュリティーを重んじ大木の横では決して寝ないという。一生を野宿で過ごす彼らにとって、倒木の確率と、自身が一生において過ごす睡眠時間を計算すると、大木の横で寝ることは人生が倒木による事故死で終わる可能性が高いことを意味するからだ)

今日もそんなセキュリティパラノイアには陥らず、ホーリーパワーに支えられ、みんなガンガン潜っていきます。

ホーリーパワー…。
これは穴をのぞくとわかるのですが。

「来なさい」

「さあ」

梯子と子授観音の位置が完璧に調整されていて、穴を覗いた人は誘われるように設計されてます。

神木ではなく「霊木」という表記にも、ちょっと妖なニュアンスを感じます。

素晴らしい。

隣に生えてる杉の根も、けっこうすごいことになってました。

実はこれだけじゃないです。
この笠森観音一帯が国指定の天然記念物「笠森寺自然林」として保護されていて、あちこちに面構えのいい巨樹が生えてます。

「名木 三本杉」です。

これも異様な迫力があった。

笠森観音


せっかっくなので笠森観音も見てきました。

本堂は日本唯一の「四方懸造(しほうかけづくり)」という建築様式。明治41年に国宝、昭和25年に国指定重要文化財となっています。

浮世絵はちょっと大げさに描かれてたようですが、そうはいっても、、、

階段の勾配がヤバイことになってます。

裏から見るとまた違った意味でかっこいい。
がっつりコンクリートや金属が入ってて、戦争遺構か軍事要塞みたいになってます。

柱組みの中。
諸星大二郎の漫画を思い出しました。
とてつもない怪物を封印してるみたいです。

こんなところにトマソンが。。。

こんなところにHITACHIの広告が。。。
HITACHIといえば、「この木なんの木 気になる木」の巨樹CMでしたね。。。なんだこのクソみたいな符号は。。。

あらためて全容を。

リスペクト!

データ:笠森観音の子授け楠


巨樹度:⭐️⭐️
国指定天然記念物(自然環境における棲息動物と境内の樹木を「笠森寺自然林」として一括指定)
幹周:6.3m
樹高:20m
樹齢:不明
住所:〒297-0125 千葉県長生郡長南町笠森302
アクセス:圏央道「茂原長南I.C.」より5km(車で約7分)

< 前回はこちら
> 次回はこちら
「巨樹ツアー」連載一覧はこちら


巨樹ツアーのオフィシャルマップもあります。
みんなも自分で見つけた巨樹を、MAPに投稿してみてね。

巨樹MAP - Google マイマップ

https://www.google.com/maps/d/edit?mid=1gmooEAddQKcGT6QmdVqMlFdM8Vo&ll=8.767465042373008%2C134.86407439999994&z=4

みんなでつくる、巨樹・巨木の地図です。巨樹・巨木を見たら写真と一緒にこの地図上にアップしよう。

この記事のライター

新聞記者からカメラマンになって、フリーのデザイナーに。
なぜかこのサイトの編集長も。

関連する投稿


巨樹ツアー 第12回「沢尻の大ヒノキ(サワラ)、シェルターと化した枝葉」

巨樹ツアー 第12回「沢尻の大ヒノキ(サワラ)、シェルターと化した枝葉」

荒れたままの休耕地が広がる中山間地に、まるで教会の尖塔みたいに天へと突き上げる巨樹がある。この巨樹、なにより枝ぶりがすごい。中に入るとそこは枝葉に守られたシェルターのような異空間で…


巨樹ツアー 第11回「天神宮のケヤキ、塀をまたぐ」

巨樹ツアー 第11回「天神宮のケヤキ、塀をまたぐ」

この連載で僕がたびたび使ってるフレーズ、「植物は自分の生長に限界を設けない」。巨大ケヤキが点在する長野県東信地方に、そんなケヤキの巨樹が存在しています。樹齢は1000年を超えるという。本殿の神域に足をかけ、落雷をものともせず生き続ける。そんな限界知らずの老樹を訪ねてきました。


良品計画に聞く、地域創生プロジェクトの意味。その3

良品計画に聞く、地域創生プロジェクトの意味。その3

千葉県の棚田保全「鴨川里山トラスト」など、地域創生の“役に立つ活動”を展開する良品計画。地域創生事業に企業は何を見るのか? 同社ソーシャルグッド事業部の高橋さんにお話を伺いました。第3回は地域を動かしていくための具体的な方法、理念の大切さなどについてのお話です。


良品計画に聞く、地域創生プロジェクトの意味。その2

良品計画に聞く、地域創生プロジェクトの意味。その2

千葉県の棚田保全「鴨川里山トラスト」など、地域創生の活動を展開する良品計画。地方創生事業に、企業は何を見るのか? 同社ソーシャルグッド事業部の高橋さんにお話を伺いました。第二回は「無駄にしない」というコンセプト、そこから始まろうとしているあらたな動きなどについてのお話です。


良品計画に聞く、地域創生プロジェクトの意味。その1

良品計画に聞く、地域創生プロジェクトの意味。その1

無印良品で知られる良品計画。千葉県の棚田保全「鴨川里山トラスト」など、地域創生の活動を展開するなか、今年2018年2月にはソーシャルグッド事業部が発足。収益が難しいとされる地方創生事業に、同社はどういった視点で乗り出しているのか? 企業の本質が浮き上がるかのようなインタビュー。同事業部の高橋さんにお話を伺いました。


最新の投稿


「築150年の土蔵を手放す」古民家解体の裏にある、持ち主海川さんの想い。

「築150年の土蔵を手放す」古民家解体の裏にある、持ち主海川さんの想い。

長野県大町市平の国道148線沿いに建つ、海川盛利さん所有の築150年という大きな土蔵。今回、JR信濃木崎駅に向かう歩道拡幅工事のために解体せざるを得ない状況になりました。この海川家に代々受け継がれてきた土蔵に使われていた古木を、山翠舎で買取させて頂くことになりました。そのままの状態で取り出すのは難しいと思われた長さ8mにも及ぶ巨大な棟木も、切ることなく運び出すことに成功。今、大町の倉庫で次なるステージの出番を静かに待っています。(取材・文:横澤冨美子)


「森林認証制度」のこれまでと今 -後編- 【FSC®ジャパン事務局長・前澤英士さんに聞く】

「森林認証制度」のこれまでと今 -後編- 【FSC®ジャパン事務局長・前澤英士さんに聞く】

企業のグローバル化が進むなか、人権やコンプライアンスの遵守、環境問題への配慮などを含めた社会貢献活動(CSR)が注目されています。とくに、環境問題への取り組みでは「FSC森林認証」を受けた材料やプロジェクトを企業が積極的に採用する動きが世界的に広がっています。この「森林認証制度」を日本国内で推進しているのがFSCジャパン。どんな活動を展開し、どのような将来展望を描いているのか、FSCジャパン事務局長の前澤英士さんにうかがいました。その後編です。


「森林認証制度」のこれまでと今 -前編- 【FSC®ジャパン事務局長・前澤英士さんに聞く】

「森林認証制度」のこれまでと今 -前編- 【FSC®ジャパン事務局長・前澤英士さんに聞く】

企業のグローバル化が進むなか、人権やコンプライアンスの遵守、環境問題への配慮などを含めた社会貢献活動(CSR)が注目されています。とくに、環境問題への取り組みでは「FSC森林認証」を受けた材料やプロジェクトを企業が積極的に採用する動きが世界的に広がっています。この「森林認証制度」を日本国内で推進しているのがFSCジャパン。どんな活動を展開し、どのような将来展望を描いているのか、FSCジャパン事務局長の前澤英士さんにうかがいました。まずは、前編です。


新時代の図書館を模索した「信州・学び創造ラボ」後編 【県立長野図書館長・平賀研也氏に聞く】

新時代の図書館を模索した「信州・学び創造ラボ」後編 【県立長野図書館長・平賀研也氏に聞く】

2019年4月、令和の時代を前に県立長野図書館内にオープンした「信州・学び創造ラボ」。県立長野図書館は、もともと長野市長門町にあったが、同市若里公園内の現在の場所に1979年に開館しました。今回の大規模リノベーションが行われたのは閲覧室や会議室のあった3階フロア。情報の多様化が進展する中で、人々が知見を得る拠点として、どういった図書館の形が望ましいのか、議論を重ねながら理想を追い求めたといいます。設計を担当した長野市の「宮本忠長建築設計事務所」の設計士と、図書館館長の平賀研也さんに話を伺いました。


新時代の図書館を模索した「信州・学び創造ラボ」前編  【宮本忠長建築設計事務所3人の設計士に聞く】

新時代の図書館を模索した「信州・学び創造ラボ」前編 【宮本忠長建築設計事務所3人の設計士に聞く】

2019年4月、令和の時代を前に県立長野図書館内にオープンした「信州・学び創造ラボ」。県立長野図書館は、もともと長野市長門町にあったが、同市若里公園内の現在の場所に1979年に開館しました。今回の大規模リノベーションが行われたのは閲覧室や会議室のあった3階フロア。情報の多様化が進展する中で、人々が知見を得る拠点として、どういった図書館の形が望ましいのか、議論を重ねながら理想を追い求めたといいます。設計を担当した長野市の「宮本忠長建築設計事務所」の設計士と、図書館館長の平賀研也さんに話を伺いました。


Ranking


>>総合人気ランキング